PPI(Palliative Prognostic Index)
週の単位の予後を見積もるスコア。採血不要・ベッドサイドの観察のみで算出できます(Morita 1999)。
日中の過ごし方で選択
※消化管閉塞のため高カロリー輸液を施行中の場合は「正常」(0点)として扱う
※薬剤が単独の原因と考えられるものは含めない
判定基準:6点超→予後3週間未満(感度80%・特異度85%)/4点超→予後6週間未満(感度80%・特異度77%)。後年のメタ解析では6点超の感度69%・特異度79%とやや低め。がん患者で開発されたスコアで、非がん疾患では精度が低下します。
死亡直前徴候チェック
3日以内の死亡と関連する徴候(特異度いずれも95%超・Hui 2014/2015)。1つでもあれば「日の単位」を強く示唆します。逆に、なくても差し迫った死は否定できません(感度は低い)。
循環・呼吸の徴候(Hui 2014)
神経系ほかの徴候(Hui 2015)
訪問看護との共有用:「これらの徴候が出たら医師へ連絡」の申し送りにこのリストをそのまま使えます。LR+=陽性尤度比(大きいほど死亡が差し迫っていることを強く示す)。
家族への伝え方
PPI・徴候タブの入力結果から、当てはまる予後の幅と説明文言の例を表示します。
伝え方の5原則
- 点でなく幅で伝える:「あと◯日」ではなく「日にちの単位〜週の単位」
- 行動に翻訳する:「会わせたい方がいれば今週中に」と、家族が動ける形に
- 希望と準備の両立:「良い経過を願いつつ、万一に備えましょう」の二本立てで話す
- 直感だけで断言しない:医師の主観的予測は系統的に楽観側にずれることが示されている
- 変化のスピードを共有する:日ごとに変化→日の単位/週ごと→週の単位/月ごと→月の単位
使用上の注意
・本ツールは終末期のがん患者を対象に開発された指標に基づきます。心不全・COPD等の非がん疾患では精度が低下し、「悪化と持ち直しを繰り返す」経過をとるため、そのまま適用できません。
・臨床判断の補助です。これ単独で治療方針・鎮静の開始を決定しないでください。
・患者氏名など個人を特定できる情報は入力しないでください。入力内容は端末にもサーバーにも一切保存されません(画面を閉じると消えます)。
出典
・Morita T, et al. The Palliative Prognostic Index: a scoring system for survival prediction of terminally ill cancer patients. Support Care Cancer. 1999;7(3):128-33.
・Hui D, et al. Clinical signs of impending death in cancer patients. Oncologist. 2014;19(6):681-7.
・Hui D, et al. Bedside clinical signs associated with impending death in patients with advanced cancer. Cancer. 2015;121(6):960-7.
・日本緩和医療学会の関連ガイドライン・手引きも併せて参照してください。